野楽力研究所

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獅子岩植物保護区・・・令和3年7月6日

 一日曇天でしたが、写真を撮るには良い日でした。美し森と同じ八ヶ岳山麓ですから同じような花が咲いていました。日当たりのよい乾燥した草原の山野草です。今日の様子です。

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(↑上の写真)左=保護区入口、中=ニッコウキスゲ、右=ニッコウキスゲ群落

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(↑上の写真)左=シモツケ、中=獅子岩、右=獅子岩を構成している礫岩(さざれ石)

 シモツケ(下野)はバラ科シモツケ属の落葉低木。初めて見た時には、ピンク色の霜を降らしたようなきれいな花、だからシモツケ即ち霜付かと思ったものです。しかし、牧野博士によると、下野国(栃木県)で最初に発見されたということからシモツケと名づけられたといいます。シモツケは木本ですが、シモツケソウという草本があります。園芸種でキョウガノコ(京鹿の子)として販売されています。どちらも街中で見られるようになりました。

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(↑上の写真)左=ヤマオダマキの群落、中=ヤマオダマキ、右=イブキトラノオ

 イブキトラノオ(伊吹虎尾)はタデ科イブキトラノオ属。日本各地(図鑑によっては関東以西)の山地の日当たりのよい草地に生える多年草。和名は滋賀県伊吹山に多く生えているので名づけられたと云います。茎は1本枝分かれせず直立してその茎頂に虎の尾に似た穂状花序の花穂をつけます。花茎・花穂は、他の草の中から抜きん出ていて、目立ち、先は他のトラノオのように尖っていません。タデ科ということで、花穂も葉もタデを大きくした感じの植物です。

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(↑上の写真)左=カラマツソウ、中=アカショウマ、右=カワラマツバ

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(↑上の写真)左=ミヤマタニワタシ、中=コウゾリナ、右=ヨツバヒヨドリ

 ミヤマタニワタシ(深山谷渡)はマメ科ソラマメ属。「APG牧野植物図鑑Ⅰ」によれば「関東、中部地方および朝鮮半島の温帯に隔離して分布し、山地の林下に生える多年草」ということです。隔離して分布(隔離分布)とは、広域に普通に分布していたものが、気候変動や地殻変動などで連続性が途切れて孤立化したものをいうようです。一目見にはナンテンハギ(別名フタバハギ)かと思いましたが、花のつき方がイマイチ違い、一方向に向いて房状に咲いているので、ミヤマタニワタシとしました。タニワタシと呼ばれるのは、弘法大師が谷を渡るときにこの草に援けられて渡ったということからタニワタシという名がついたという言い伝えがあります。

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(↑上の写真)左=ニガナ、中=ミツバツチグリ、右=イボタノキ