野楽力研究所

近くの自然で野楽力を高めましょう

美し森・・・令和3年7月6日

 梅雨の合間に、清里「美し森」を訪ねました。シモツケが赤紫の霜が降りたような花を咲かせていました。谷戸の湿地のクリンソウの群落は花の時季を終え、代わりにバイケイソウを間近に見ることが出来ました。今日の様子です。

f:id:noyama_ko:20210710120819j:plain
f:id:noyama_ko:20210710120828j:plain
f:id:noyama_ko:20210710120836j:plain

(↑上の写真)左=美し森の登り口、中と右=シモツケ

f:id:noyama_ko:20210710121022j:plain
f:id:noyama_ko:20210710121032j:plain
f:id:noyama_ko:20210710121048j:plain

(↑上の写真)左=最後のクリンソウ、中=クリンソウ群落地、右=サワギク

f:id:noyama_ko:20210710121211j:plain
f:id:noyama_ko:20210710121221j:plain
f:id:noyama_ko:20210710121232j:plain

(↑上の写真)どれもバイケイソウ

 バイケイソウ(梅蕙草)はシュロソウ科シュロソウ属。APG牧野植物図鑑Ⅰによると「日本各地、朝鮮半島などの丘陵帯林内の湿ったところに生える有毒の多年草」ということですが、矢野亮監修「日本の野草」夏編では、本州中部地方以北となっています。どちらが正しいでしょうか。APG牧野植物図鑑では、和名は花が白梅に似て、葉がけい蘭に似ているからということです。調べてみると「けい蘭」とは「蕙蘭」のことのようで紫蘭の古名ということです。確かに葉は似ているようです。春の山菜として若芽がオオバギボウシに似ていて、誤って食すると血圧降下を招き、死に至ることもあるということで有毒植物とされています。

f:id:noyama_ko:20210710121327j:plain
f:id:noyama_ko:20210710121339j:plain
f:id:noyama_ko:20210710121348j:plain

(↑上の写真)左=ニッコウキスゲ、中=ノアザミ、右=ノハラアザミ

 ノアザミ(野薊)はキク科アザミ属。本州、四国、九州の山野に普通に生える多年草。北海道の人にとっては珍しい花でしょうか。春から夏に咲き、頭花は花柄が長く、1本だけ伸びて咲く。ノハラアザミとの区別点は、ノハラアザミ(野原薊)は夏から秋に咲き、頭花は花柄が短くしばしば2〜3個集まってつくことです。夏には両者とも咲いているので区別しにくいですが、頭花が2・3個集まって咲く、ということを基準にすると見分けられます。一本だけ花柄がすっと伸びて1個花をつけていればノアザミ。また、花の苞の部分が粘つくのがノアザミ。根生葉が大きく残っていればノハラザミです。なお、アザミという花はありません。シラサギという鳥がいないのと同じです。Web:BOTANICAによると、「アザミの名前の由来は、とげに驚き興ざめしてしまうという意味の「あざむ」が、語源」ということです。

f:id:noyama_ko:20210710121512j:plain
f:id:noyama_ko:20210710121532j:plain
f:id:noyama_ko:20210710121549j:plain

(↑上の写真)左=ニガナ、中=シロバナニガナ、右=オオヤマフスマ

f:id:noyama_ko:20210710121659j:plain
f:id:noyama_ko:20210710121713j:plain
f:id:noyama_ko:20210710121727j:plain

(↑上の写真)左=ウツボグサ、中=カワラマツバ、右=ノコギリソウ(まだ蕾)

 ノコギリソウ(鋸草)はキク科ノコギリソウ属。北海道、本州の山地の草原に生える多年草八ヶ岳赤岳の麓のここにも生えていました。最近はセイヨウノコギリソウが幅を利かせています。うっかりすると見間違えてしまいます。葉の切れ込みが深く鋸のようだというので鋸草と名づけられたと言います。この葉の切れ込みが細かく「人」の字のような切れ込みの重なりになっているように見えたらセイヨウノコギリソウです。明治20年頃に渡来したものだそうで、園芸種として各種色づいた花のものが販売されています。日本のノコギリソウを保護したいです。山に行ったら気に掛けていただけたら嬉しいです。

f:id:noyama_ko:20210710121924j:plain
f:id:noyama_ko:20210710122005j:plain
f:id:noyama_ko:20210710122022j:plain

(↑上の写真)左=ヒヨドリバナ(まだ蕾)、中=ヤマオダマキ、右=南アルプス地蔵岳オベリスク(地蔵仏)を遠望

f:id:noyama_ko:20210710122212j:plain
f:id:noyama_ko:20210710122227j:plain
f:id:noyama_ko:20210710122243j:plain

(↑上の写真)左=シルエットの富士山、中=イボタノキ、右=ノリウツギ(まだ蕾)