野楽力研究所

近くの自然で野楽力を高めましょう

神代植物公園・・・令和3年6月29日

 神代植物公園もようやく再開されましたが、事前予約が必要です。今回は空きがあったので偶然入れてくれました。大温室の休憩室はテーブルも椅子も取り払われていました。人知れずマヤラン、タシロランが咲いていました。今日の様子です。

<水生植物園にて>

f:id:noyama_ko:20210630144827j:plain
f:id:noyama_ko:20210630144836j:plain
f:id:noyama_ko:20210630144845j:plain

(↑上の写真)左=水生植物園入口、中=クサレダマ、右=ヌマトラノオ

f:id:noyama_ko:20210630145000j:plain
f:id:noyama_ko:20210630145008j:plain
f:id:noyama_ko:20210630145016j:plain

(↑上の写真)いずれもマヤラン

f:id:noyama_ko:20210630145103j:plain
f:id:noyama_ko:20210630145115j:plain
f:id:noyama_ko:20210630145124j:plain

(↑上の写真)左=サガミラン?、中=マヤラン、右=マヤランが生えている所

 マヤラン(摩耶蘭)はラン科シュンラン属。APG牧野植物図鑑によると「関東地方南部から琉球列島の林下に散発的に発生する無緑葉の多年生の菌根蘭」ということです。自然教育園見頃情報2019年7月18日号によると「名前は最初の発見地『神戸市摩耶山』にちなみます。葉と根を持たず、地上に姿を現すのは、花だけです。光合成は行わず、共生する菌から栄養をもらっています。サガミランはマヤランに比べて花の色が白いことが特徴」とあります。Web:筑波実験植物園によると「マヤランの地下茎を切って見ると、細胞の中にたくさんの菌がいることが分かります。共生するこの菌から栄養と水をもらって大きくなります。共生菌のDNA を調べると、担子菌のベニタケ科、イボタケ科、シロキクラゲ科であることがわかりました。キノコの仲間です。これらのキノコは特定の種類の樹木の根としか共生しないため、共生関係にある木の種類が生えていなければ死んでしまいます。共生関係にある木の種類は調査中」ということです。ここ水生植物園では南側の城山の北側(水生園側)の麓のアズマネザサが程よく刈り取られたちょっと空間のあるコナラの木の傍らに生えているようでした。これは本園でも同じようでした。どうもアズマネザサとは何か関係ありそうですがどうでしょうか。アズマネザサが無いところでは見つけられませんでした。

f:id:noyama_ko:20210630145252j:plain
f:id:noyama_ko:20210630145306j:plain
f:id:noyama_ko:20210630145319j:plain

(↑上の写真)左=ミソハギ、中=アサザ、右=水生植物園湿地部分(右側の山が城山=深大寺城跡)

<本園にて>

f:id:noyama_ko:20210630152226j:plain
f:id:noyama_ko:20210630152238j:plain
f:id:noyama_ko:20210630152256j:plain

(↑上の写真)左=バラ園を望む、中=タシロラン、右=マヤラン

 タシロラン(田代蘭)はラン科トラキチラン属。APG牧野植物図鑑によると、関東地方以西から琉球列島の暖地の林下や陽地に稀に見られる無緑葉の菌根植物、花は、ほとんど白色で、すぐ淡褐色になる、ということです。田代善太郎氏が長崎県諫早で発見したので、この名があるとのこと。ここ本園では、保護されていて、アズマネザサが程よく刈り取られた木漏れ陽の差すようなところに見られました。

f:id:noyama_ko:20210630152417j:plain
f:id:noyama_ko:20210630152429j:plain
f:id:noyama_ko:20210630152439j:plain

(↑上の写真)いずれも秋を知らせるキキョウ

f:id:noyama_ko:20210630152540j:plain
f:id:noyama_ko:20210630152551j:plain
f:id:noyama_ko:20210630152605j:plain

(↑上の写真)左=オミナエシ、中=オオバギボウシ、右=チダケサシ

f:id:noyama_ko:20210630152711j:plain
f:id:noyama_ko:20210630152724j:plain
f:id:noyama_ko:20210630152743j:plain

(↑上の写真)左=トウフジウツギ、中=セイヨウニンジンボク、右=フサフジウツギ 

f:id:noyama_ko:20210630162335j:plain
f:id:noyama_ko:20210630162528j:plain
f:id:noyama_ko:20210630162615j:plain

(↑上の写真)左=ヤブカンゾウ、中=ノウゼンカズラ、右=(参考:都立薬草園にて)アメリノウゼンカズラ 

 ノウゼンカズラ凌霄花)はノウゼンカズラノウゼンカズラ属。中国原産の落葉つる低木。茎は長く伸び、気根を出して他物に絡みつき、葉は対生で羽状複葉。この花は一見、西洋風に見えますが、平安時代には渡来していて、湯浅浩史著『花おりおり』によると「ノウゼンは漢名の凌霄(りょうしょう)が語源という。凌霄から、平安時代の「本草和名」の乃宇世宇(のうせう)を経て、ノウゼンに転訛したとみられる」とあります。深津正著『植物和名の語源』には「凌霄花の霄は空の意味で、蔓が木にまといつき、天空を凌ぐほど高く登るので、この名前がついたものという」とあります。また、同書には「…家毎に凌霄(のうぜん)咲ける温泉(いでゆ)かな…子規。凌霄花は真夏の花である。焼けつくような真夏の炎天の道すがら、とある家の門柱や垣根にまといついた凌霄花の華やかに花開いた姿に、ふと歩みを止めた思い出は、誰にもあるに違いない」と。皆さんの記憶にはどうでしょうか。なお、「凌霄花」は、夏の季語にもなっています。(参考写真)のアメリノウゼンカズラは、山渓『日本の樹木』による「大正末期に渡来したもの」ということです。

f:id:noyama_ko:20210630153303j:plain
f:id:noyama_ko:20210630153323j:plain
f:id:noyama_ko:20210630153337j:plain

(↑上の写真)左と中=アカンサス、右=カンナ

ムクゲ園にて>

f:id:noyama_ko:20210630153444j:plain
f:id:noyama_ko:20210630153455j:plain
f:id:noyama_ko:20210630153509j:plain

(↑上の写真)いずれもムクゲ

 ムクゲ(槿・木槿)はアオイ科フヨウ属。中国原産と謂われる落葉低木。法律的に決まってはいないようですが、韓国(大韓民国)の国花とされています(発音ムグンホァorムングファ?)。一日花ですが次々に咲くので韓国では無窮花といわれているようです。王朝が次々に代わっても韓国は永久という象徴のようです。参考までに、北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)の国花は、北朝鮮でモンラン(木蓮)といわれるオオヤマレンゲ(モクレンモクレン属)。モンランとは木に咲く美しい花という意味だそうです。

<ダリア園にて>

f:id:noyama_ko:20210630153609j:plain
f:id:noyama_ko:20210630153623j:plain
f:id:noyama_ko:20210630153635j:plain
f:id:noyama_ko:20210630153836j:plain
f:id:noyama_ko:20210630153849j:plain
f:id:noyama_ko:20210630153927j:plain

(↑上の写真)いずれもダリア

 ダリアはキク科ダリア属。メキシコ原産の多年草。牧野新日本植物図鑑によると「ダリアというが、正しくはダーリアである」と書かれています。ウィキペディアによると「ダリア(学名Dahlia)の名は、スウェーデンの植物学者でリンネの弟子であったアンデシュ・ダール(Anders Dahl)に因む」とあります。牧野博士はダリアを正しく学名で発音せよ、といったのですね。

<温室にて>

f:id:noyama_ko:20210630154123j:plain
f:id:noyama_ko:20210630154142j:plain
f:id:noyama_ko:20210630154152j:plain

(↑上の写真)左=温室内の様子オニバス池、中と右=ブーゲンビリア

f:id:noyama_ko:20210630154332j:plain
f:id:noyama_ko:20210630154349j:plain
f:id:noyama_ko:20210630154402j:plain

(↑上の写真)いずれもベコニア

f:id:noyama_ko:20210701090228j:plain
f:id:noyama_ko:20210701090247j:plain
f:id:noyama_ko:20210701090313j:plain

(↑上の写真)左と中はスイレン、右=ショクダイオオコンニャクの終わり