野楽力研究所

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津久井湖城山公園・・・令和3年5月17日

 神奈川県立公園です。ちょうど花の端境期で見られる花の種類は少なかったですが、オカタツナミソウ、フタリシズカは満開でした。ここでは、ミミガタテンナンショウが見られるのですが、今回は咲き終わっていました。今日の様子です。

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(↑上の写真)左=筑井古城碑、中と右=オカタツナミソウ

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(↑上の写真)左=フタリシズカ、中=ジシバリ、右=ブタナ

 フタリシズカ二人静)はセンリョウ科チャラン属。日本各地の山地や林野に生える多年草。茎は分枝せず節がある。葉は一見、輪生に見えますが、対生し輪生状ではありません。ヒトリシズカは群生しますが、フタリシズカは、疎らに生え、なかなか広がりません。ヒトリシズカの花が終わるとひっそり咲き始めるのがフタリシズカ。花びらは無く、白い雄しべ(内側に花粉がついている)が雌しべを直接包み込んでいる形の花が花軸に並んでいます。花穂は普通フタリシズカと言われる所以の2本ですが、写真のように3本以上あるものもあります。ここ城山公園では2本だけというのが稀で、ほとんどが写真のような具合です。こうなると静ではなく、姦しいということになるでしょう。何をがやがや話しているのでしょうか。

 ブタナ(豚菜)はキク科ブタナ属。ヨーロッパ原産で、日本では昭和10年代に札幌と神戸で帰化が確認され、それ以後、帰化植物として各地に分布するようになった多年草。ブタナはフランス語の俗名で豚のサラダと言われていたものを翻訳したものだそうです。20年ほど前、多摩市で見られて以来、分布を周辺に広げ、今では多摩地区全域で見られます。葉が根元にロゼット状につき、花茎は普通途中で二股に分かれ、それぞれに鮮やかな黄色のタンポポ花をつけます。葉のつき方、花茎が二股に分かれるのが特徴で、見分けがつきます。

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(↑上の写真)左=ハルジオンとヒメジョオン、中=吸蜜するアサギマダラ、右=ヤブヘビイチゴ

 今まで春にはハルジオン(春紫苑)キク科ムカシヨモギ属が咲いていましたが、これからはヒメジョオン(姫女苑)キク科ムカシヨモギ属も咲き始めるので、両者が咲いていると区別がしにくくなります。上の写真は両者が写っています。ヒメジョオンは写真では、まだ咲いていません。名前は、ハルはジオンで、ヒメはジョオンです。お姫様は女性なのでジョオン(女苑)です。以下の特徴を確認すると区別が容易です。そのつもりになって観察してください。ハルジオンの茎を軽くつぶすと中空であることが分かります。ヒメジョオンは、充実していて堅いので、強そうに見えます。葉の基部が茎を抱いているようならハルジオンで、ちょっと葉柄がある感じだったらヒメジョオン。花の蕾がうつむいてうなだれている様だったらハルジオン。これは咲いてしまうと区別し難いです。どの図鑑にも書かれていませんが、ハルジオンの根は、ひげ根ですが、ヒメジョオンの根は、ゴボウ根、即ち主根がまっすぐ伸びています。除草する場合などに観察ください。

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(↑上の写真)左=エゴノキ、中=マルバウツギ、右=男坂の通行止め

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(↑上の写真)左=ハカタシダ、中=ヤブソテツ、右=オオバノイノモトソウ