元弘の役で鎌倉幕府と戦った新田義貞の久米川古戦場跡や新田義貞が旗を立てた将軍塚など歴史の残る狭山丘陵。その一部に残された八国山緑地と北山公園を夏空を思わせるような青空の下、自然観察に訪れました。尾根道は、緑陰となっており、心地よい涼風が吹き抜けていました。今日の自然の様子です。
(↑上の写真)どれもキンラン、右=キンランンの群生
キンラン(金蘭)はラン科キンラン属の多年草で、やや乾いた明るい丘陵地の雑木林に半開きの状態で咲くということです。キンランは移植が難しいと言われます。キンランの根に菌類が共生していて、その菌類は他の樹木の根とも共生関係にあるという複雑な共生状態にあるので、その共生関係を保っての移植は難しいということのようです。それを知らずに購入して移植すると数年で消滅してしまうそうです。和名の金蘭は、はじめ金襴緞子のように豪華な花ということで金襴と思っていましたが、金色のラン(蘭)科の植物ということでした。
(↑上の写真)どれもギンラン
(↑上の写真)左と中=ササバギンラン、右=キンラン、ギンランの咲く尾根道
(↑上の写真)左=ヤブニンジン、中=ヤブジラミ、右=キツネアザミ
(↑上の写真)左=オオジシバリ、中=オヘビイチゴ、右=ヤブヘビイチゴ
オヘビイチゴ(雄蛇苺)はバラ科キジムシロ属。「APG牧野植物図鑑」によると本州、四国、九州及び朝鮮半島中国などの暖帯に分布し、野原や田畑のあぜ道など湿ったところに生える多年草という。根生葉や花茎の途中に出るは葉は、5枚の小葉からなり、柄があります。和名雄蛇苺は、ヘビイチゴより大型であるからといいますが、5枚の小葉が特色で他の同類と見分ける判別点となります。また、花はヘビイチゴでは一つが大きく咲きますが、オヘビイチゴは、頭頂に数個つけます。
ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)はバラ科キジムシロ属。「APG牧野植物図鑑」によると北海道から琉球列島及び東アジアから南アジアの温帯から暖帯に分布。山地の林の縁などに生える多年草という。茎は地上を這って長く伸び、全体に絹毛を被る。ヘビイチゴに似ているが全体に大形で、小葉は長さ3~7㎝。花は春、径2cm、花托は計1,3~2cm、和名は通常藪の辺りに生えるからということです。
(↑上の写真)左=ムラサキサギゴケ、中=タビラコ、右=カントウタンポポ
タビラコ(田平子)はキク科ヤブタビラコ属。本州、四国、九州及び朝鮮半島や中国中部に分布し、田の畔や湿り気のある藪の草むらなどに生える2年草という。高くならず。根生葉はロゼット状を成し、まるで仏さまが坐る丸い座布団ようなので、春の七草でいうホトケノザは、この草を指します。別名コオニタビラコとも呼ばれています。オニタビラコより小さいという意味ですが、オニタビラコより花茎は短く花穂が群がっていません。葉の形は微妙に違います。オニタビラコの葉はタンポポのような葉形ですが、葉の切れ込みの具合が全く違います。
(↑上の写真)左=コウゾリナ、中=ユウゲショウ、右=アヤメ
(↑上の写真)左=夏を思わせる青空、中=久米川古戦場碑、右=将軍塚