長沼公園では、紅葉の兆しが感じられた程度で、本格的にはこれからのようです。カエデの葉もまだ緑です。コウヤボウキが咲き始め、カントウヨメナが咲き誇っています。この時季、長沼公園にはシダがたくさんあります。花の少ない時季にはシダに注目したいです。夏緑性(冬に枯れてしまうもの)のミドリヒメワラビは、今、見る最後です。今日の様子です。
(↑上の写真)左=遠く丹沢を望む、中=ヤマザクラ、右=ニワウルシ(シンジュ)
ニワウルシ(庭漆)はニガキ科ニワウルシ属。原産は中国北中部。日本には明治初期に渡来し、シンジュサン(神樹蚕、ヤママユガ科の蛾)の幼虫の食樹としてシンジュサンの養蚕目的に栽培された。庭にも植えられたので次第に各地に野生化したという。ニワウルシはウルシとはいってもニガキ科でウルシ科ではないのでかぶれないとのこと。ニワウルシがアメリカに導入されたとき、かぶれないことからツリー・オブ・ヘヴン(天国の木)とされ、直訳して日本では神樹といわれるようになったということで、もともとはニワウルシということです。牧野植物図鑑ではシンジュを標準和名としています。漢名は樗(チョ・日本では「おうち」)。ただし、「夏は来ぬ」の唱歌に出てくる「おうち」は楝です。
(↑上の写真)左=クワ、中=ムラサキシキブ、右=マユミ
(↑上の写真)左=コウヤボウキ、中=カントウヨメナ、右=トネアザミ(タイアザミ)
(↑上の写真)左=サラシナショウマ、中と右=アキノタムラソウ
アキノタムラソウ(秋の田村草)はシソ科アキギリ属。本州以南の山野に生える多年草で、花は夏から晩秋に、数段輪生してつきます。上の写真は、晩秋に咲いた見事な花と思います。花の少ないこの時期に凛として花穂を立てている姿には、はっとさせられます。タムラソウには、キク科タムラソウ属のアザミに似たタムラソウ(田村草)がありますが、ハル、ナツ、アキ、イヌなどの名前がつくタムラソウはそれぞれシソ科なので、キク科のタムラソウとは違います。シソ科は茎が四角で、花が花穂に数段輪生するところが特徴ですね。
(↑上の写真)左=ミドリヒメワラビ、中=ミゾシダ、右=ベニシダ
(↑上の写真)左=ヤマイタチシダ、中=オクマワラビ、右=リョウメンシダ