日野市立南平丘陵公園は丘陵と谷戸の起伏に富む公園です。今は、ガマズミ、コバノガマズミなど赤い実がたわわに実り、目を瞠ります。谷戸のひょうたん池周辺には香ばしい磯辺焼の香りが広がっています。そろそろ黄葉が始まったカツラの木の葉が醸し出す香りです。
(↑上の写真)左=公園入口、中=ガマズミ、右=コバノガマズミ
ガマズミ(莢蒾)はレンプクソウ科ガマズミ属。日本各地の丘陵、山地に見られる落葉低木。ガマズミを莢蒾(キョウメイ)と漢字を当てるのは漢名の慣用。ガマズミの語源は、Web「レファレンス協同データベース」にいろいろな説が紹介されていますが、その他のWebに、昔、マタギが山の中で「神様が与えてくれたありがたい実」として食べたというので「神っ実」と言われたのが語源で、それがカミツミ➝カミズミ➝ガマズミに転訛したという説が気に入っています。語源を想像するのも植物観察の愉しみの一つですね。自分なりの語源を創造してみるのも名前を覚えるコツかも知れません。この実を焼酎に漬けてつくる果実酒は一興ということです。
(↑上の写真)左=ヤブサンザシ、中=カシワバハグマ、右=ムサシアブミ
(↑上の写真)左=ひょうたん池、中=カツラの木の遠望、右=ひょうたん池奥のカツラの林
カツラ(桂)はカツラ科カツラ属。日本各地の山地に生える水辺を好む落葉大高木。白亜紀の生き残りと言われ、中国四川省と日本で生き残ったそうです。春咲く花は、花とも言えない原始的な裸花といわれる花で、花びらや萼のない雌雄異株。葉は対生ですが、互生、3輪生のものもあるようです。黄葉した葉は、磯辺焼の醤油の香りがし、抹香の原料にもなるようです。南平丘陵公園では、ひょうたん池周辺で、醤油味の磯辺焼の香りが漂っています。なお、中国では、桂はモクセイのことです。