薬用植物園(薬草園)では、薬用というだけでなく、危険な有毒植物も栽培されています。今日は、セイタカアワダチソウが咲いていました。ということは、有毒植物の仲間ということを知りました。今日の薬草園の様子です。
(↑上の写真)左=園内風景、中=イヌサフラン、右=シュウメイギク
シュウメイギク(秋明菊)はキンポウゲ科イチリンソウ属。別名キブネギク(貴船菊)。中国、台湾に分布するキンポウゲ科の多年草で、日本には古い時代に中国から渡来したものが帰化し、のち野生化、自生化したと考えられているそうです。京都の貴船地方に自生化したものがキブネギクで、本来のシュウメイギク。これを原種として改良、園芸化されています。「キク」と名前に付いていますが、キク科ではなく、キンポウゲ科です。花弁のように見える部分は咢片で、本来の花弁は退化しているそうです。中央に多数密集しているのが雄しべと雌しべ。花色は様々、一重咲き、八重咲きもあります。木陰で明るい方を向いて咲くので、撮影方角に苦労する時がありますね。開花後は綿毛に包まれたタネが実りますが、品種によってはタネのできないものもあるそうです。Web「FIT森の草木染教室」によると全草有毒で食すると胃腸障害を生じますが、加熱と乾燥で無毒化するということです。
(↑上の写真)左と中=サキシマフヨウ(先島芙蓉)、右=スイフヨウ(酔芙蓉)
(↑上の写真)左と中=アキチョウジ、右=セキヤノアキチョウジ
(↑上の写真)左=オオユウガギク、中=ノコンギク、右=シラヤマギク
(↑上の写真)左=イヌショウマ、中=イヌショウマの花穂、右=サラシナショウマの花穂
(↑上の写真)左=セイタカアワダチソウ、中=タバコ、右=ノゲオトウ
セイタカアワダチソウ(背高泡立草)はキク科アキノキリンソウ属。北米原産、明治30年頃渡来した帰化植物で各地の土堤や荒地に生える多年草。以前、花粉症の原因の花粉を多量に放出しているということで騒がれたましが、虫媒花であり、花粉はほとんど放出しないことが分かり、花粉症の原因植物ではないことになりました。しかし、在来種を駆逐する勢いで増えるので、注意することは必要で、日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100に入れられています。Web:産経ニュース:令和2年10月17日によると、耕作放棄地を活用した牛の放牧場で農林水産省の有識者検討会による視察が行われ、「瀬尾ファーム」代表の瀬尾亮さん(66)は(10頭の黒毛牛が)「50アールを20日間くらいできれいに食べてくれます」「セイタカアワダチソウはあまり好まないが、ほかの草がなくなったら、食べてしまう」という説明をしています。今回、薬草園ではセイタカアワダチソウが写真の様に花を開いています。その説明板には「有毒部分=全草、とくに根。 有毒成分=シスーデヒドロマトリカリアエステル。 中毒症状=家畜がこの植物を多量に食べると死亡する。 原産地=北アメリカ」と書かれていました。瀬尾ファームの牛たちは大丈夫でしょうか。
(↑上の写真)左=ハッカ、中=トリカブト、右=シオン
(↑上の写真)左=ベンケイソウ、中=オオベンケイソウ、右=ミセバヤ
(↑上の写真)左=ミシマサイコ、中=ウイキョウ、右=ヤクシソウ