飯盛山(めしもりやま)は清里野辺山高原の南の標高1643mのご飯を盛りつけたような形の山です。ゆっくり写真を撮りながら1時間もあれば登れる征服感が感じられる山です。登り口付近と山頂付近には各種山草が見られます。今日の様子です。(写真をクリックすると拡大されます)
(↑上の写真)左=飯盛山登山口、中=アキノキリンソウ、右=タカネナデシコ
アキノキリンソウ(秋の麒麟草)はキク科アキノキリンソウ属で本州、四国、九州の日当たりのよい山野に生える多年草。黄金色の花が、夏のキリンソウに対して、秋に咲くのでアキノキリンソウと名付けられたといわれます。しかし、考えてみると、黄金色は同じでも、(夏の)キリンソウの花の付き方は平面的で、アキノキリンソウは花穂が伸びて塔のようです。キリンソウは、漢字では麒麟草と書きますが、そもそも黄輪草と書かれていたのではないかという説もあります。どう見ても、麒麟草から秋の麒麟草が思い出されたというよりも、花の付き方ではなく、黄金色の美しい花を黄輪草と言ったというのが自然ではないかと思います。そうすると夏に黄金色の目立つキリンソウにたいして、秋に黄金色の花を咲かせるものを秋の黄輪草と言った、ということになります。どうでしょうか。
(↑上の写真)左=ウスユキソウ、中=ヤマハハコ、右=ヤハズハハコ
ウスユキソウ(薄雪草)はキク科ウスユキソウ属で本州、四国、九州の低山から亜高山帯に生える多年草。アルプスのエーデルワイスはこの仲間。花弁のように見えるものは花の蕾を護っていた総苞で、白い綿毛が生えています。その綿毛が、薄く雪が積もったように白いので名づけられたといいます。エーデルワイスはドイツ語(エーデルヴァイス)で高貴な白ということで、花言葉は「大切な思い出」「勇気」だそうです。野楽花言葉は「懐かしい出会い」「心の支え」「慈しみ」です。どうですか。
(↑上の写真)左=飯盛山遠望、中と右=ノハラアザミ
(↑上の写真)左=シラヤマギク、中=ノコギリソウ、右=フシグロセンノウ
フシグロセンノウ(節黒仙翁)はナデシコ科マンテマ属で本州、四国、九州の山地の林下などに生える多年草。花が明るい橙色で花弁は厚く緑の草の中に咲いているとその鮮やかさは一際目を瞠ります。根は深く、多年草なので一度根づくと四方に広がって増えます。センノウ(仙翁)はナデシコ科マンテマ属で中国原産、観賞用として庭園に植えられる多年草。京都府嵯峨の仙翁寺に代々伝わっているのでセンノウと名付けらたといわれます。フシグロセンノウはセンノウに似ていて節が黒いのでフシグロセンノウといわれるようになったということです。
(↑上の写真)左=タチフウロ、中=ハクサンフウロ、右=イブキボウフウ
イブキボウフウ(伊吹防風)はセリ科イブキボウフウ属。近畿地方以東の山地や原野に生える多年草。和名のイブキは滋賀県伊吹山に生えていることにより名付けられたそうです。ボウフウ(防風)は、セリ科ボウフウ属で中国東北部から華北原産の多年草。セリ科なのでセリと同じような白い小花を咲かせるそうです。根および根茎は1mほどにもなり、防風(ボウフウ)という日本薬局方にも収録されている解熱、鎮痛などの生薬名ということです。
(↑上の写真)左=オトギリソウ、中=ユウガギク、右=ヤマハッカ
(↑上の写真)左=マルバハギ、中=フタツバハギ、右=コウリンカ
コウリンカ(紅輪花)はキク科オカオグルマ属。本州の日当たりのよい山地の草原に生える多年草。花の周囲の舌状花は、キクのように横に開く瞬間もあると思いますが、咲くとすぐに写真のように反り返ってしまいます。和名紅輪花は、花の色と舌状花が車輪状になっているからということです。初めて見た時の感じは、なんとも奇妙な花の形なので、なんでこんなに反り返るのかと印象深かったです。あまり出会えませんが、忘れられない花の一つです。
(↑上の写真)左=清里方面を望む、中=コウゾリナ、右=マツヨイグサ