野楽力研究所

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今熊山・金剛の滝・小峰公園・・・令和2年4月16日

 今熊山は武蔵五日市駅の南西4kmほどのところにあります。麓の今熊神社から登り始めて、標高505m頂上の奥の院を参拝し、金剛の滝へ下りました。滝は、水の滴っている小さな洞門を腰をかがめ、鎖につかまりながら通らないと行けません。滝の周囲の岩肌には葉を伸ばしたばかりのイワタバコがしがみつくように生えています。その後、小峰公園へ向かいました。小峰公園はコロナのため休園中で駐車場も閉鎖されていました。今熊山の山野草は、この時期だったからなのか、種類が少なく、小峰公園でやっと立派なラショウモンカズラに出会いました。

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(↑上の写真)左=今熊山登山道からの眺め、中=ラショウモンカズラ、右=ヨゴレネコノメ

 ラショウモンカズラ羅生門蔓)はシソ科ラショウモンカズラ属。花と同時に根もとから蔓(走出枝)をだすのでカズラといわれますが、ラショウモンは『平家物語』剣巻の話から名付けられたと言われます。「源頼光に仕えた渡辺綱が夜中に戻橋を通りかかると、美しい女性が、『夜も更けて恐ろしいので家まで送ってほしい』と頼むので、綱はこんな夜中に女性が一人でいるとは怪しいとは思いながらも、頼みを引き受け、馬に乗せました。すると女性はたちまち羅生門に棲みつき悪行を繰り返していた鬼女に姿を変え、綱の髪をつかんで愛宕山の方向へ綱を連れて飛んで行きました。綱は、すぐさま髪を掴んでいる鬼女の腕を太刀で切り落とし、逃れることができました。その後、腕は渡辺綱の屋敷に置かれていましたが、ある日、鬼女が綱の義母に化けて現れ、綱はすっかり騙されて腕を鬼女に取り戻されてしまいました」ということです。この渡辺綱が切り落とした羅生門に棲んでいた鬼女の腕の形がこの花の形に似ているというのでラショウモンカズラと名付けられたといわれます。そう思ってみると鬼女の腕のように見えてきます。(いろいろ説話はあるようです。現代語訳を一部翻案)

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(↑上の写真)左=ワニグチソウ、中=ミツバツチグリ、右=ヘビイチゴ

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(↑上の写真)左=キケマン、中=カンアオイ、右=ミミガタテンナンショウ

 カンアオイ(寒葵)は、ウマノスズクサカンアオイ属。別名はカントウカンアオイ。この花の花期は秋で、花が終わるころ新葉を出すということですから、写真はちょうど花が終わり、新葉が出そろったところですね。カンアオイなどの花の花弁のように思われるものは萼片だそうです。その萼片の先端が丸い感じのものはタマノカンアオイです。カンアオイは写真のように三角形に尖った感じですのでタマノカンアオイとは違うことが分かります。カンアオイは別名カントウカンアオイといわれるように、Web:「花さんぽ」によると「千葉県・東京都・埼玉県・神奈川県・そして静岡県の太平洋側の山地や、丘陵地帯の林内に生える、常緑性の多年草です。 関東地方西南部に自生するのは、本種とランヨウアオイ、タマノカンアオイの3種のみのようです」と書かれています。

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(↑上の写真)左=ヤマルリソウ、中=チゴユリ、右=セントウソウ

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(↑上の写真)左=ハハコグサ、中=カキドオシ、右=セリバオウレンの実