野楽力研究所

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高尾山・・・令和2年4月3日

 爽やかに晴れ上がり気持ちの良い朝を迎えました。高尾山には、そろそろ遅い春がやって来ているでしょうか。頂上ではヤマザクラが満開、各種スミレが咲いていました。高尾山口から6号路を登り、山頂から4号路経由で1号路を下りました。人と非接触、非会話、きれいな空気を吸って花と一年ぶりに再会することができました。高尾山の今日の様子です。

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(↑上の写真)左=6号路琵琶滝方向への入り口、中=ヨゴレネコノメ、右=ヤマネコノメ

 ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目)はユキノシタ科ネコノメソウ属。沢沿いや法面径沿いのやゝ暗い湿ったところに群生しています。暗い中にあって驚くほど明るい黄色の苞葉に惹きつけられます。その外側の個性的な色をした厚ぼったい葉との対比がすばらしいです。ヨゴレとついているのはこの感じの葉のことを言ったのかもしれません。今は、わざわざ穴をあけたジーパンをはいているお嬢さんが颯爽と闊歩している時代ですから、ヨゴレネコノメの汚れは時代の先端を行くファッションでしょう。

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(↑上の写真)左=ユリワサビ、中=ツルカノコソウ、右=ミヤマカタバミ

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(↑上の写真)左=ムラサキケマン、中=ムラサキケマンの白色化、右=キケマン

 ムラサキケマン(紫華鬘)はケシ科キケマン属。山渓「日本の野草」によると「やや湿ったところに生える越年草。花は、紅紫色、ときに白色」とあります。アルビノと言われ白色化したものが知られているようです。帰化植物のカラクサケマン、ニセカラクサケマンは、ちょっと目、同じに見えて困ります。よく見ると花形、特に距の部分、葉形などの違いに気づくと思います。ここの写真は、ムラサキケマンの白色化したものと思いますがどうでしょうか。白色の劣勢遺伝子が固定化したようで、在来種ということになります。

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(↑上の写真)左=高尾山清滝駅風景、中と右=ケマルバスミレ

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(↑上の写真)左=エイザンスミレ、中=ヒナスミレ、右=ナガバノスミレサイシン

 ナガバノスミレサイシン(長葉菫細辛)はスミレ科スミレ属。牧野植物図鑑によると関東以西の太平洋側に自生し、日本海側のスミレサイシンと棲み分けているとのこと。見た目、スミレサシンの葉を長くしたもののようです。スミレサイシンの名は、ウマノスズクサ科のウスバサイシン(サイシンのこと。フタバアオイに葉も草の様子も似ています)に葉形が似ているからという。サイシンは細辛で、細く辛い、という字のとおり、針のように細い根っこで、乾燥させて用い、細いほど生薬として良品。ぴりっと痺れる辛味と、すーっと貫けるような香りがある(Web:漢方ノート参照)とのことです。

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(↑上の写真)左と中=カテンソウ、右=エンレイソウ

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(↑上の写真)左と中=ハナネコノメの咲き終わり、右=ニリンソウ

  ハナネコノメ(花猫目)はユキノシタ科ネコノメソウ属。咲き始めの花は、雄しべの先端の葯が赤く目立つので可愛らしい。今日は咲き終わりで、赤い葯が落ち、花糸のみが残り、別の花のように見えます。もう少し早く訪れかったです。

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(↑上の写真)左=ヤマルリソウ、中=ミヤマシキミ、右=山頂のヤマザクラ

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(↑上の写真)左=クサイチゴ、中=ニガイチゴ、右=モミジバイチゴ

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(↑上の写真)シダ三選 : 左=ミサキカグマ、中=ヤマイタチシダ、右=リョウメンシダ

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(↑上の写真)左=水量豊富な琵琶滝、中=閑散とした山頂、右=四号路のみやま吊橋