野楽力研究所

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片倉城跡公園・・・令和2年3月13日

 刻々と春の足音が近づいてきます。自然観察が楽しい時期を迎えました。今日は八王子市立片倉城跡公園を訪ねました。ここは北村西望門下の彫刻の森になっています。今日は、この公園が絶滅危惧種カイコバイモの自生地ということを知りました。近所にお住いの方が教えてくれました。訪ねたところで会話を楽しむようにしていますが、いい結果が得られました。カタクリが咲き始めました。アズマイチゲも咲いています。

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(↑上の写真)左=彫刻に迎えられる公園入口、中と右=咲き始めたカタクリ

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(↑上の写真)左=バイモ、中と右=カイコバイモ

 カイコバイモ(甲斐小貝母)はユリ科バイモ属の多年草。ここは自生地だそうですが絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されている植物で、日本固有種。左の写真のバイモの小さいものという意味です。バイモ(貝母)は、傘のような花びらの外面には緑色の筋があり、内側には紫がかった網目の模様がついているので、別名アミガサユリ(網傘百合)と呼ばれています。ユリのような葉の先が巻きひげになっている一風変わった中国伝来の植物です。

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(↑上の写真)左と中=アズマイチゲ、右=ニリンソウ

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(↑上の写真)左=ヒメリュウキンカ、中=セントウソウ、右=ムラサキサギゴケ

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(↑上の写真)どれもミスミソウスハマソウとおぼしきもの

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(↑上の写真)どれもミスミソウスハマソウとおぼしきもの

 ミスミソウ(三角草)もスハマソウ(州浜草)もキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草。同じ属に属するので変種として扱うのがいいのでは。ミスミソウは葉の先が三角でスハマソウは葉の先が丸いといって区別されるようですが、その中間系が多く難しいですね。富山県など北陸では葉の先がしっかり尖っていて三角になっているのでミスミソウと言えますが、関東地方では州浜のような丸い葉のスハマソウが多いのではないでしょうか。片倉城跡公園のミスミソウの葉はスハマソウのようなものもあり、これらを断定するのはおこがましいでしょう。木屋進著「家紋入門」には「浜辺の州が水中に出入りしたところを州浜形という。これを造形化したものを州浜台と名づける。藤原時代、慶賀の式を行う場合、この州浜をつくることが行事の一つであった。家紋で「州浜紋」といい、常陸の小田家の家紋が有名で、他に陶山、寺町、伊庭、茨城、吉田の5氏が用いた」と、あります。草の名前は、この家紋から名付けられたということからすると、やはり、関東太平洋岸にスハマソウはよく見られたということでしょう。