野楽力研究所

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新宿御苑・・・令和2年2月12日

 寒桜と河津桜が満開で、いよいよ春が近づいたことを感じさせます。ここは梅の木は少ししかありませんが、それでも紅梅、白梅が目を楽しませてくれています。

          <写真をクリックすると拡大されます>

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(↑上の写真)どれも寒桜

 カンザクラ(寒桜)はバラ科サクラ属。早咲きで知られる河津桜よりも開花は早い。実はつかず、カンヒザクラ(寒緋桜)とヤマザクラ(山桜)ないしオオシマザクラ(大島桜)の雑種と考えられている栽培品種で、熱海にはたくさん植えられていてアタミザクラ(熱海桜)と呼ばれているそうです。

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(↑上の写真)どれも河津桜

 カワズザクラ河津桜)はバラ科サクラ属。昭和30年に、河津町の飯田勝美さんが、河津川沿いの雑草の中から、桜の苗を偶然見つけて、それを育てたところ、昭和41年に初めて開花して、屋号にちなみ、「小峰桜」と呼んだそうです。その後、新種の桜であることが分かり昭和49年に原木が河津町にあることから「カワヅザクラ河津桜)」と命名され、昭和50年に河津町の木に指定されたそうで、最近のことですね。(インターネット「うっちゃんメソッド」参照)

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(↑上の写真)左・中=紅梅、右=白梅

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(↑上の写真)どれもツバキ(南フェンス沿いの寂しい園路、名札はありません)

 ツバキは、ヨーロッパでは「日本のカメリア=椿=Camellia japonica」といわれるほど人気があり、しかも高貴な花木とされているそうです。18世紀にフィリピンに派遣されたイエズス会の宣教師で植物学者のゲオルク・ヨーゼフ・カメルによってヨーロッパにもたらされたといわれます。冬に青葉のない枯野のヨーロッパで艶やかな緑の葉を茂らせる椿は、珍重されたと思います。ヴェルディ のオペラ「椿姫」の第一幕、初めのうちは相手にしなかったヴィオレッタ(=椿姫)が、次第にアルフレード(青年貴族)の真心に惹かれ、胸に挿した椿の花を渡して、「この花が萎れたときにまたお目にかかりましょう」と再会の約束をして別れるのですが、第三幕、再開できた時には、ヴィオレッタは死の床にあったという悲恋の物語に登場しますね。原作はデュマの小説『椿姫』。

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(↑上の写真)左=ウナズキヒメフヨウ、中と右=カトレア

 ウナズキヒメフヨウアオイ科)は、いつ見に行ってもパッと開花せず、うなだれたままです。この様子で開花全開ということです。

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(↑上の写真)左=ションボレリア・シンジュク、中と右=福羽イチゴ

 新宿御苑の温室は、明治8年に100㎡の温室を建てたことに始まり、そのころ盛んに西洋の植物を輸入し、交雑種を作り出したもののうち、作出に成功したこのションボレリアを新宿産として保存してきたものだそうです。なかなか立派な花のションボレリア・シンジュクです。福羽(ふくば)イチゴは明治31年、新宿御苑の福羽逸人が作出した日本初の果物としてのイチゴとなったもので、これを原種として改良を重ねたものが現在のイチゴということです。展示は2月16日まで。