野楽力研究所

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東京薬科大学薬用植物園・・・令和元年10月23日

 この薬用植物園は、京王線平山城址公園駅から南へ歩いて30分ほどの所にあります。受付簿に記名すれば、入れます。植物の名札も整備されていて楽しみながら植物観察ができます。

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(上の写真)左=入口、受付簿が置いてあります。中=ハナトリカブト、右=アズマレイジンソウ

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(上の写真)どれもタバコ、左=花、中=葉、右=実

 タバコ(煙草)はナス科タバコ属。語源はスペイン語。ご存知の芥川龍之介の「煙草と悪魔」のお話です。「悪魔はフランシスコ・ザビエルについているイルマンの一人に化けて、日本へやって来た。日本での退屈な時間に園芸を始めた。持ってきた種子を蒔いて育てたものは、茎の先に漏斗のような形をした薄紫の花をつけた。悪魔には、この花の咲いたのが、骨を折っただけに、大変うれしかった。と、そこに通りかかった牛商人が『もし、お上人様、その花は何でございますか』と問うと、上人に化けている悪魔は『この名だけは教えられない』という。悪魔は『三日の間に誰かに聞いてもいいです。この名があたったら、これをみんなあげます。その他にお酒なども』という。『賭けですよ』ともいう。悪魔は『もしあたらなかったら、あなたの体と魂をもらいますよ』と右の手をまわして帽子を脱いだ。三日目の晩、牛商人は、もくろんでいた計画を実行した。即ち、牛の尻を思い切りたたいて畑の中に追い込んだ。けたたましい牛の鳴き声と蹄の音に、寝込んでいた悪魔はびっくりして窓を開け『この畜生、何だって、おれの煙草畑を荒らすのだ』と怒鳴った。牛商人は、首尾よく、煙草と云う名が分かり、云いあてて、悪魔に鼻をあかさせた。悪魔は敗北した。が、それ以後、日本全土に煙草を普及させることができ、日本を堕落させることにおいては、悪魔として勝利した」煙草には、こんな挿話があったんですね。(一部翻案)

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(上の写真)左=ミカエリソウ、中=ヒキオコシ、右=クロヒキオコシ

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(上の写真)左=カワミドリ、中=ハッカ、右=キチジョウソウ

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(上の写真)左=シロヨメナ、中=キバナアキギリ、右=イブキトラノオ

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(上の写真)左=サンザシ、中=ナツメ、右=ミツバアケビ

 サンザシ(山査子)はバラ科の落葉低木で、5月頃白い散房花序の花を咲かせます。北原白秋作詞、山田耕作作曲の童謡「この道」の4番に「あの雲も いつか見た雲 ああ そうだよ 山査子の枝も垂れてる」という歌詞があります。白秋が母の実家熊本で馬車に乗って通った道、秋の青空に白い雲がぽっかり浮かんでいます。目線を手許に戻すと山査子の赤い実がたわわに実っている。白い雲と赤い山査子の実、その間に青い空が広がる秋の爽やかさが伝わってきます。1番・2番は北海道を旅行した時のアカシアの花と白い時計台。3番・4番は熊本から福岡へ馬車に乗ったときに見た光景。季節を髣髴とさせる歌詞ですね。