ここは、博物館と言っても緑に囲まれた森のことを言ったものです。植物を他から移植するなどを一切していませんので、もともとの植物のみです。そのため、山野草の種類は少なく、今の時季は、ヒメザゼンソウ以外、目立ったものはありません。皆さん、ヒメザゼンソウのためだけに出かけてくるようです。
(上の写真)どれもヒメザゼンソウ
ヒメザゼンソウ(姫座禅草)は、サトイモ科。花の形は、ミズバショウやザゼンソウと似ていますが、花弁のように見える苞の丈は3㎝ほどで小さいです。左右の写真に写っている緑色の松ぼっくりのようなものは、昨年の花(肉穂花序)が種子になりつつあるものです。今年の花が咲き終わった後に成熟するということです。関東付近ではここでしか見られない貴重種とのことで、昨年、都薬草園が種の保存のために一株持って行ったということです。
(上の写真)左=ヒメザゼンソウが生えている所 中=夏空が広がるトンボ湿地 右=麦秋の風景(畑コース)
(上の写真)左=クサノオウ 中=ムラサキシキブ 右=セリバヒエンソウ(最近増えだした帰化植物)
セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)はキンポウゲ科。明治時代に中国より渡来した越年生の帰化植物とのこと。花に距があり、ツバメが飛んでいる姿が想像されます。可愛い花なので庭に植えたくなりますが、一度根付くと大変です。そのため、公園を見て回ると、毎年勢力範囲が驚くほど広くなっているようです。
(上の写真)左=オオバノイノモトソウ 中=コウヤワラビ 右=ハリガネワラビ
(上の写真)左=ヒメワラビ 中=ベニシダ 右=ミサキカグマ