<写真をクリックすると拡大されます>
奥多摩の御岳山では、ガクウツギが満開で、その花から発する青い香りが谷筋・山道を包み、さながら森林浴に浸っているようでした。ガクウツギの装飾花は香りませんが、花に鼻を近づけると青い香りという表現がぴったりの匂いを嗅ぐことができます。マルバウツギの白い花も満開です。
(上の写真)左=ガクウツギ、中=マルバウツギ、右=コアジサイ
ガクウツギ(額空木)はアジサイ科。以前はユキノシタ科でしたが、遺伝子解析の結果、ユキノシタとは縁遠いことが分かり、アジサイ科になったということです。ガクウツギのガクは萼で、萼が花弁化したもの。ですから萼空木と書くこともあります。ガクアジサイも同じですが、ガクアジサイの花弁化した萼は、大きさが同じですが、ガクウツギのそれは、一つが極端に他より大きくなっていますので、区別がつくと思います。それに御岳ではガクアジサイはまだ開花しておらず、ガクウツギの方が早咲きです。
(上の写真)左=天狗岩、中・右=コゴメウツギ
天狗岩は、御岳山の大天狗の鼻を思わせる立派な鼻だちです。天狗岩と書かれた表示板の裏側なので、裏に回らず七代の滝へ下りようとする方がいましたので、ここまで来てこれを見ずに下山すとはもったいないと案内してあげました。コゴメウツギ(小米空木)はバラ科。東京近辺で同じ仲間のカナウツギを見つけたいと思っていたので今回、中の写真がカナウツギと思われました。葉の形はカナウツギに似ていますが、花の花弁の形がコゴメウツギのそれなので、違いました。山渓の「樹に咲く花」ではカナウツギは富士山・箱根周辺で見られるとのことです。
(上の写真)左=ハンショウヅル、中=フタリシズカ、右=ウアワバミソウ
(上の写真)左=ハリガネワラビ、中=ジュウモンジシダ、右=イヌシダ