野楽力研究所

近くの自然で野楽力を高めましょう

オオムラサキセンター農村公園・・・令和元年5月3日

   <写真をクリックすると拡大されます>

 オオムラサキセンターは中央線日野春駅下車徒歩8分。農村公園は農村の風景を留めるように里山谷戸の自然が保護されています。気候は、東京より3週間ほど遅れていますので、若芽が伸び始めたという感じです。

(下の写真)左=農村公園風景。中=クサノオウ。右=ミツバツチグリ

f:id:noyama_ko:20190505162140j:plain
f:id:noyama_ko:20190505162211j:plain
f:id:noyama_ko:20190505162235j:plain

(下の写真)左=フデリンドウ。中=イカリソウ。右=ホタルカズライカリソウ(碇草・錨草)はメギ科。4枚の花弁の先が袋状の距になっていて、その中に蜜を蓄えています。この距のある花の形が船の錨に似ているのでイカリソウと名づけられました。距のあるものは大抵、距の長さと口吻の長さが同じ特別なハチと共生していて、そのハチにだけ蜜をあげる関係になっています。この場合はトラマルハナバチで、このハチに蜜をあげながら花粉を長距離送粉してもらい、できるだけ遺伝子の多様性を確保しようとしているようです(参考:田中肇著『花の顔』)。

f:id:noyama_ko:20190505162500j:plain
f:id:noyama_ko:20190505162516j:plain
f:id:noyama_ko:20190505162538j:plain

(下の写真)左=里山の中の道。中=ムラサキケマン。右=トウダイグサトウダイグサ灯台草)はトウダイグサ科。昔、油を満たした灯明皿を台架の上に載せたものが、灯台(ロウソクを立てたものが燭台)と言われ、この台架の高いものは、高灯台といわれ、1m近くもあったそうです。確かに花を見ると灯明皿の上にあたかも明かりがともされているような雰囲気を受けますね。「灯台下暗し」は、この高灯台の明かりが灯明皿に遮られて、その直下に届かないので「灯台下暗し」と言われるようになったということです。(参考:深津正著『植物和名の語源』)。

f:id:noyama_ko:20190505162728j:plain
f:id:noyama_ko:20190505162802j:plain
f:id:noyama_ko:20190505162823j:plain

(下の写真)左=カキドオシ。中=タネツケバナ。右=リュウキンカタネツケバナ(種漬花)はアブラナ科。苗代を作る直前の米の種籾を水に漬す時期に盛んにこの花が咲くのでこの名がついたといいます(牧野植物図鑑)。よく見るとアブラナ科なので十字状花で白い小形のアブラナに似た花をつけています。苗代をつくる時には、雑草として刈られてしまいますから、そのまえに花を咲かせて、種子をつくり、刈り取られるときには種子がばらまかれているという戦略ですね。庭に生やそうものなら、いったん蔓延ると駆除できなくなります。

f:id:noyama_ko:20190505163032j:plain
f:id:noyama_ko:20190505163051j:plain
f:id:noyama_ko:20190505163121j:plain