夜分雨というので、よく晴れた午前中に、小平市の端に位置する東京都薬草植物園を訪れました。日曜日でしたので、園内を案内する花案内人の方がいて、開園すぐでもあったので、いろいろ今が旬のものを案内してもらうことができました。セリバオウレンが満開でした。
(下の写真)どれもセリバオウレン、左=全体の様子、中=雌花、右=雄花。
セリバオウレン(芹葉黄連)はキンポウゲ科。葉が芹葉の黄連ということです。生薬名の黄連は、東京生薬協会のHPでは、セリバオウレンのことと出ています。利用する根茎は肉塊が長くつながっており、表面は茶色をしていますが、輪切りにすると中は黄色いそうです。 生薬としては整腸薬などとして配合されるそうです。雌雄異株でそれぞれ雌花、雌花をつけます。見分けやすいです。
(下の写真)どれもヒロハアマナ、それぞれ別のところで咲いていました。
ヒロハアマナ(広葉甘菜)は、ユリ科、絶滅危惧Ⅱ類。自生地は関東、近畿、四国。アマナは、葉の中央主脈線がありませんが、ヒロハアマナは葉が広く、中央主脈線がはっきりしています。アマナの葉はたくさん出ていますが、まだ花は咲いていませんでした。間もなくと思います。
(下の写真)左=セツブンソウ、中=イワレンゲ、右=カタクリ。セツブンソウ(節分草)はキンポウゲ科、春の妖精と言われるように早春の一時期姿を見せ、あとは来春まで休眠します。種子から花が咲くまで3年かかるそうです。花びらのように見えるのは萼片で、普通5枚、よくそれ以上の数のものが見られます。イワレンゲ(岩蓮華)はベンケイソウ科、秋に変わったウルップソウ(?)のような花茎をした黄色い花茎を伸ばすそうなので、期待したいと思います。カタクリ(片栗)はユリ科、写真のものが一番早く咲きそうです。これからが楽しみです。
(下の写真)左=ハランの根際、中=ハランの根際に咲く花、右=アオイスミレ
ハラン(葉蘭)はユリ科。ラン科ではないということです。ハランの花を花案内人の方の案内ではじめて見ることができました。カンアオイとかミョウガのように根際に咲かせるんですね。見たことのない方は、今がチャンスです。アオイスミレ(葵菫)はスミレ科。葉の形が丸くて徳川家の家紋フタバアオイに似ています。スミレの中で一番早く咲くスミレだそうです。
(下の写真)左=ウチワノキ、中=シュンラン、右=キバナセツブンソウ
ウチワノキ(団扇木)はモクセイ科、朝鮮半島北部に自生する雌雄異株の朝鮮半島特産種ということです。日本には昭和初期に渡来したそうです。珍しい木で花はこの時季しか見られません。日本では育てにくく、隣にあった1本は枯れてしまったそうです。果実は扁平な円形で周囲には大型の翼があるそうです。その実を団扇に見立てて名付けられたということです。秋には、ぜひ見に来たいですね。シュンラン(春蘭)はラン科。キバナセツブンソウ(黄花節分草)はキンポウゲ科、南ヨーロッパ原産。日本のカタクリは色の艶やかさからして、これが隣に咲いていたら負けそうです。
ナギイカダの花が、今咲いています。気づかずに見過ごしてしまいそうです。ハナイカダと花のつき方が似ています。
サンシュユ(山茱萸)はミズキ科。フッキソウ(富貴草)はツゲ科、常緑で群生する様子が一族繁栄のように見えることから富貴草と付いたということです。