都立薬草園では、秋の花のフジバカマやシオンの花が咲き終わりの最後の艶やかさを見せています。サンシュユやオオサンザシなどの秋の実が色づき始めています。ホトトギスも白花、濃紫色の花などが見られます。
フジバカマ シオン
サンシュユ オオサンザシ
シオン(紫苑)はキク科。日本の忘れな草として今昔物語に出てきます。西洋のワスレナグサをありがたがりますが、それも結構ですが、日本古来の忘れな草として紫苑も愛でてください。今昔物語の「兄弟二人、萱草・紫苑を植うる語」の中に出てきます。兄は親の墓に忘れ草の萱草を植えたので、それ以来、兄は親の墓参りをすっかり忘れ、仕事人間になってしまいました。それを嘆いた弟は、忘れな草の紫苑を親の墓に植えたので、いつも忘れずに墓参りしていました。ある墓参りの時、善意の鬼が弟の前に現れ、彼の善根を愛で、お前に予知能力を与えようと言って、消えました。弟は、未来を予知することができるようになり、その後、幸せに暮らしたということです。それ以来、思い出を忘れたい人は萱草を、忘れたくない人は紫苑を植えるようになったということです。
スイフヨウ ハッカ
ノゲイトウ オオケタデ
キダチチョウセンアサガオ ジョチュウギク
オオバショウマ カリガネソウ
キバナアキギリ(終わり) ヤクシソウ(これから)
オケラ ルコウソウ