野楽力研究所

近くの自然で野楽力を高めましょう

神奈川県立東高根森林公園・・・令和3年1月26日

 東高根森林公園に春の兆しを感じながら自然観察しました。今日の様子です。

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(↑上の写真)左=園内谷戸筋の水辺(中央右の小さい木=ロウバイ)、中と右=ロウバイ

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(↑上の写真)左と中=フクジュソウ、右=ニホンスイセン

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(↑上の写真)左=カルガモが休憩する水辺、中=ヒメリュウキンカ、右=ヤマアイ(蕾をつけ始め)

 ヒメリュウキンカ(姫立金花)は、キンポウゲ科キクザキリュウキンカ属で帰化植物多年草。「日本日本帰化植物写真図鑑」によれば、「ヨーロッパ原産。非常に多型で、多くの種内変異が」がある。「在来種のリュウキンカによく似ているが、本種はダリアの球根を思わせる肥大した地下部を持って」いるとのこと。Web:「ガーデニングの図鑑」によると「分布域は、北アフリカからヨーロッパ全土、トルコ~ロシア東部に至り、牧草地や草原、道路脇、森林地帯など広範囲に自生しています。強健な性質と美しい花を持つことから」世界に分布を広げていて「北アメリカでは広い地域で逸出したものが野生化しており、侵略的外来種として幾つかの州での栽培が禁止されています。」とのことです。リュウキンカとつくので、水辺が好みかと思いがちですが、ヒメリュウキンカは森林地帯にも自生しているので日本でも雑木林の中に見つけることもあり、丘の上で咲いていることもあります。

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(↑上の写真)左と中=紅梅、右=ヒイラギナンテン(春を待つ蕾)

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(↑上の写真)左と中=フモトシダ、右=リョウメンシダ

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(↑上の写真)左=イノモトソウ、中=オオバノイノモトソウ、右=イノデ

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(↑上の写真)左=ホシダ、中=ヤブソテツ、右=ナガバヤブソテツ 

 ヤブソテツ(藪蘇鉄)はオシダ科ヤブソテツ属。日本各地の林下や路傍に生える常緑性シダ。葉の形は違いますが、ソテツのような葉(羽片)の付き方をし、藪に生えているのでヤブソテツと名づけられたそうです。羽片の基部が円みを帯びているものをヤブソテツとし、上の写真のように羽片基部上側に耳垂(耳片、耳状突起、耳たぶのようなもの)が出ているものをヤマヤブソテツとして分けていましたが、「桶川修 文「くらべてわかるシダ」(令和2年4月発行)によれば、ヤブソテツの項に「従来ヤマヤブソテツと呼ばれていた型を含む」とされていますので、本HPでもこれからは、ヤブソテツとヤマヤブソテツは、ヤブソテツに統一することにしました。

さいたま緑の森博物館・・・令和3年1月22日

 今回は里山満喫コース(1時間30分)をゆっくり、フィトンチッドを浴びながら自然観察です。案内所は閉鎖中。そこから狭山丘陵を一つ越えて西久保湿地といわれる平坦な場所とそれに続く畑地の散策です。畑地では春の兆しを感じることができました。今日の自然の様子です。

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(↑上の写真)左=案内所、中=トンボ池、右=西久保湿地

 案内所は2月7日まで閉鎖中。トンボ池は昭和25年まで田んぼだった谷戸でしたが、現在はヨシに覆われ、僅かに残る水面は凍っていました。西久保湿地には、道祖神ということでしょうか、上手に彫られた木像が心を和ませてくれます。

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(↑上の写真)左=ナズナ、中=ホトケノザ、右=オオイヌノフグリ

 西久保湿地を過ぎて暫くすると明るい畑地に出ます。畔には春が訪れていました。ナズナ(薺)はアブラナ科ナズナ属。室町時代春の七草として、セリ、ナズナ……の二番目に詠まれているので、日本在来の植物のようにも思いますが、世界の温帯、暖帯に分布しているそうで、日本にはムギと一緒に入ってきた史前帰化植物だそうです。遠藤周作著「深い河」にこの花が出てきます。(修道僧になれず南仏の修練院で修行中の大津が美津子へあてた手紙になかなか修道僧になれない理由として)「いくら明晰で論理的でも、このヨーロッパの基督教のなかには生命の中に序列があります。『よく見ればなずな花咲く垣根かな』は、ここの人たちには遂に理解できないでしょう。もちろん時にはなずなの花を咲かせる命と人間の命とを同一視する口ぶりをしますが、決してその二つを同じとは思っていないのです。」と、西洋人の自然に対する態度、生命観の違いを述べています。大津はいつも民衆の苦しみをキリストの如く背負おうとしていました。遠藤周作の悩みであったかもしれません。(深い河:ガンジス河)

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(↑上の写真)コースの中で出会った 左=アオキ、中=オモト、右=カラスウリ

 オモト(万年青)はキジカクシ科オモト属。APG牧野植物図鑑によると「本州東海道以西、四国、九州、および中国の暖帯に分布。昔から観葉植物として愛用され園芸品種も生い多年草。花は春から初夏。液果は赤熟するが稀に黄色のものもある」という。松田修著「花の文化史」によると「オモトの名は、九州豊後の宇佐八幡に近い、御許山(おもとやま)から産したものが最も上等なので、これからその名が起こったと記している古書もあるが、これは、大本(おおもと)の意味で、粗大な株を表したものというのが定説」といいます。漢名は万年青で、庶民の間では、これを庭に植栽しておくと万年、青々と家門が繁栄するという縁起のいい植物といわれます。本当に一年中、冬の厳しい寒さの中でも葉を青々と茂らせ、赤い実をつけてくれます。一家繁栄の兆しです。

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(↑上の写真)コースで出会った若芽 左=ヒメオドリコソウ、中=セントウソウ、右=ムラサキケマン

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(↑上の写真)左=オオバノイノモトシ、中=クマワラビ、右=トラノオシダの栄養葉

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(↑上の写真)どれもベニシダ 左=若葉、中=胞子嚢が裏についている葉、右=胞子嚢の様子

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(↑上の写真)風景 左=山道、中=狭山丘陵の眺め、右=西久保湿地の眺め

 

浄慶寺・・・令和3年1月20日

 浄慶寺は川崎市麻生区小田急柿生駅から徒歩8分にあるお寺です。楽しい羅漢さんが迎えてくれる、ひととき、ゆったりした気持ちになれる場所です。毎年新しい羅漢像が加わりますが、今年はマスクをした羅漢さんでした。紅梅が綻び、蝋梅も消え入りそうに咲いていました。大寒の今日の様子です。

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(↑上の写真)左=浄慶寺本堂、中と右=紅梅

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(↑上の写真)左=満月蝋梅、中=千両、右=万両

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(↑上の写真)左=境内の丘陵、中=ニホンスイセン、右=オオハナワラビ

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(↑上の写真)左=カタヒバ、中=シケシダ、右=トラノオシダ

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(↑上の写真)左=羅漢像のある境内、中=絵筆をふるう羅漢、右=パソコンを睨む羅漢

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(↑上の写真)左=大笑いの羅漢、中=囲碁対決の羅漢、右=腕相撲に興ずる羅漢

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(↑上の写真)左=今年参加のマスクの羅漢、中=お団子を愉しむ羅漢、右=ケーキを手前に珈琲を喫する羅漢

 

航空公園ロウバイ園・・・令和3年1月13日

 日本で飛行機が飛び立った最初の地、ということでここ所沢に航空公園がつくられました。西武線航空公園駅東口下車徒歩7分。航空公園は底が抜けたような青空が広がっていました。ロウバイ園には、ソシンロウバイとマンゲツロウバイが植栽されています。まだ1~2分咲きで蕾の方が多いです。これからが楽しみです。今日の様子です。

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(↑上の写真)左=航空公園遠景、中=ロウバイ園、右=ソシンロウバイ

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(↑上の写真)どれもソシンロウバイ

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(↑上の写真)どれもマンゲツロウバイ

都立小宮公園(八王子市)・・・令和3年1月8日

 小宮公園にはソシンロウバイが40株ほど植栽されています。そのうち6株ほどが開花しています。今日の様子です。(家を出てから帰るまで他人と完全無接触、無会話を守りました。)

             <写真をクリックすると拡大されます>

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(↑上の写真)いずれもソシンロウバイ

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(↑上の写真)いずれもソシンロウバイ

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(↑上の写真)いずれもソシンロウバイの 左=開花直前の蕾、中=実、右=木肌

 ロウバイの実は花からは想像できない大きな黒い実です。中には種子のまとまりがゴキブリの卵のような形のものが並んで入っています。(写真は時季はずれで実が枯れています。)

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(↑上の写真)左=冬空に映えるユーカリの白い木肌、中と右=園内風景

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(↑上の写真)左=オオハナワラビ、中=オオハナワラビの鋸歯のある葉、右=リョウメンシダ

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(↑上の写真)左=ベニシダ、中=ベニシダの胞子嚢(ソーラス)、右=ヤブソテツ

 

府中市郷土の森・・・令和3年1月6日

 新年を迎えて初めて開園された府中市郷土の森のロウバイ園を自然初観察地として訪れました。ロウバイをじっくり観察しました。ここはロウバイソシンロウバイ、マンゲツロウバイと以前は名札が出ていましたが、数年前から撤去され、どれがどれだか素人目には分からなくなりました。そこで徹底観察して区別してみました。どうでしょうか。(なお、ここ郷土の森は、1月は月、火が交互に休園となります。2月は梅まつりのため休園日はありません。)

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(↑上の写真)どれもロウバイロウバイロウバイ属)

 ロウバイ(蝋梅)の花弁は、粘土細工をするときの竹へらのように横幅は狭く先が尖った形をしています。芯は紅をつけたよう様な感じ。見分けやすいです。

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(↑上の写真)どれもソシンロウバイロウバイロウバイ属)

 ソシンロウバイ(素心蝋梅)の花弁も竹へらの形でロウバイと同じですが、芯が紅をさしてなくて素心です。これも見分けやすいです。

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(↑上の写真)どれもソシンロウバイ

 これもソシンロウバイですが花弁に形が竹へらのように尖っていません。どちらかというと聖徳太子が両手で持つ笏(しゃく)のようで、花弁に横幅があって先端が丸みを帯びています。

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(↑上の写真)どれもマンゲツロウバイロウバイロウバイ属)

 マンゲツロウバイ(満月蝋梅)はロウバイと間違えそうですが、花弁が笏状のソシンロウバイのようで竹へらより横幅があり、先端に丸みがあります。

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(↑上の写真)左=ロウバイ園、中=川崎平右衛門の像、右=ニホンズイセン

 以上のような見方をもって、ロウバイ園で自分なりの見方で同定をしてみるとロウバイへの興味がいっそう深まると思います。

 川崎平右衛門は押立村(現在の府中市)出身の人望と徳と実績のある名主で大岡越前守と同時代、彼に認められ石見銀山の経営まで頼まれた人ですね。

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(↑上の写真)左=梅園、中=白梅、右=紅梅

 梅は、白梅と紅梅の数株がちらほら綻び始めた状態です。

 

玉川上水(水車橋~百石橋の右岸・左岸)・・・令和2年12月31日

 自然観察納めを玉川上水でしました。この時季には常緑樹が目立つようになります。寒い中を頑張って生きているなあと常緑樹の生命の強さを感じます。どうでしょうか。今日の様子です。

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(↑上の写真)左=玉川上水、中=サザンカ、右=ヤブツバキ

 玉川上水は昭和23年に太宰治が愛人と入水自殺を図り、情死した上水です。現在は上の写真のように赤土の壁面は垂直になっていて、下の方にわずかに水(それも処理水です)が流れています。当時は、多摩川の水が縁まで満水で、滔々と流れていたそうです。しかも壁面は壺の断面のようにまわるく抉れていて、一旦溺れると滑りやす赤土の這い上がれない構造になっていたということです。多摩地域では東京オリンピックの直前までこの上水を田の水として利用していました。そんな歴史を上水を覗く度に思い起こされます。大岡昇平の「武蔵野夫人」には国分寺恋ヶ窪の上水分水の場面が出てきます。

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(↑上の写真)左=アオキ、中=ヤツデ、右=イヌツゲ

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(↑上の写真)左=クマザサ、中=カクレミノ、右=ネズミモチ

 クマザサ(隈笹)はイネ科ササ属。普通、クマザサは如何にも熊が出そうなところに生えているので熊笹と書いてしまいますが、名前の由来は、冬に葉の縁に白い隈取ができ、それが歌舞伎役者の隈取りに似ているのでクマザサ(隈笹)と言われるようになったということで、漢字としては隈笹がいいようです。原産が京都盆地周辺だそうですが、若葉が綺麗なので庭園などの根締めに植えられたりして全国に広がって野生化したそうです。笹餅や料理の化粧笹、添え物などに使われたりしますが、Web「くまざさbing」によれば、葉に含まれる安息香酸が殺菌・防腐作用をもつからだそうです。ですから乾燥した葉を健康茶として喫したりしますが、有効性は個人差もあるようです。

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(↑上の写真)左=ワジュロ、中=ツルマサキ、右=ハリガネワラビ(夏緑性で気温が下がると枯れてきます。)

 ワジュロ(和棕櫚)はヤシ科シュロ属。トウジュロ(唐棕櫚)に対してワジュロといいますが、APG牧野植物図鑑では「中国原産と考えられ、九州にも自生すると考えられたことがあるが、確実な自生は知られていない」とのこと。ウィキペディアでは「中国湖北省からミャンマー北部まで分布する。日本では平安時代、中国大陸の亜熱帯地方から持ち込まれ、九州に定着した外来種である」としています。どうやら和棕櫚とは言っても日本自生のものではないらしいです。トウウジュロの葉は硬く小さめの扇形でピチッとした感じですが、ワジュロの葉は大きい扇形で葉先が垂れ下がります。この垂れ下がる(↑上の写真参照)ようすがだらしなく「日本的ではないなあ」「嫌だなあ」と思っていましたが、外来種のようなので今では納得しています。みなさんはどうですか。なお、ヒヨドリ玉川上水の和棕櫚の実を撒布するので、上水のあちこちにたくさん実生が芽生えています。このままでは自然とは言っても今に上水は和棕櫚の林になってしまうかもしれません。

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(↑上の写真)左と中=ヤマコウバシ、右=マルバウツギ 

 ヤマコウバシ(山香ばし)はクスノキ科クロモジ属。冬になっても葉が落ちず、翌春になって芽が出る頃落ちるので、冬の林の中でひときわ茶色の枯葉が目立ちます。芽が出るまで落ちないというので、受験生のお守りの葉となっているようですので、受験生のいらっしゃるご家庭では、この枯れ葉を(少し湿らせて)押し葉にしてお守りをつくって差し上げたらどうでしょうか。葉のつき方に進化の過程が見られる木です。輪生から対生を経て現在は互生になる過程のコクサギ型葉序になっているところが見られます。

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(↑上の写真)左=コナラと冬空、中=遊歩道、右=クヌギの冬姿と冬空