野楽力研究所

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東京都薬用植物園・・・令和2年1月29日

 そろそろ蝋梅が咲き終わり、いよいよ早春の福寿草、節分草の季節到来です。今日は春のような陽気で、歩くと汗ばむ感じの温かさ。ちょっと出かけてみようと思い、都立薬草園を訪ねました。

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(↑上の写真)どれもソシンロウバイ

 ソシンロウバイが3株と別に1株あります。満開を過ぎたところです。花の芯まで透明な黄色がきれいなので、素心蝋梅といわれるようです。

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(↑上の写真)どれも蝋梅。

 これがロウバイの原種といわれるもので、各ロウバイ園で数を減らしています。ソシンロウバイにくらべ、ちょっと地味かもしれません。花の内側が赤色で花弁の先が尖っているのが特徴です。

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(↑上の写真)左・中=福寿草、右=セツブンソウ

 福寿草が今日の温かさで咲き始めました。セツブンソウは、案内の方の話では、昨日まで蕾だったものが、今日咲き始めたということです。蕾がまだたくさんあります。セツブンソウは節分のころ咲く花ですから、これからが楽しみです。

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(↑上の写真)左・中=コバノセリバオウレン、右=セリバオウレン

 どちらもこれからの花です。雄花、雌花の様子が違うので、観察力を養えます。野楽力が向上しますね。

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(↑上の写真)左=コバノタツナミソウ、中=オウバイ、右=スノードロップ

 

航空公園ロウバイ園・・・令和2年1月21日

 ロウバイを訪ねて今日は航空公園ろう梅園へ行きました。株によって満開のものから、蕾だけのものまであります。平均して三分咲きと言ったところで、まだまだこれから楽しめます。ここも交配が進み、色合いも黄色が濃いものから薄いもの、花弁の形も先が三角状のものから丸いものなどいろいろあります。西武新宿線航空公園駅下車東口から南へ徒歩7分。

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神代植物公園・・・令和2年1月16日

 ロウバイを求めて、今日は神代植物公園へ向かいました。マンサク・ウメが咲き初め、温室内ではいつものようにベコニアが咲き競っていました。しかし、今回はダーウィンのランと言われているダーウィンが予言したランが咲いていました。このランの花の距の長さに合った長い口吻を持った蛾がいるはずだと予言したことで有名になったアングレカム・セスキペダレです。

              <写真をクリックすると拡大されます>

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(↑上の写真)左=ロウバイ、中=マンゲツロウバイ、右=ソシンロウバイ

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(↑上の写真)左=ロウバイ、中=マンゲツロウバイ、右=ソシンロウバイ

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(↑上の写真:どれもウメ)左=白難波、中=八重寒紅、右=冬至

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(↑上の写真)左=マンサク:ダイアナ、中=ツバキ:富士の峰、右=ツバキ:肥後入日の海

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(↑上の写真:どれもツバキ)左=ワビスケ:数寄屋、中=夕陽、右=大神楽

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(↑上の写真)左=白腰蓑、中=サザンカ、右=ヤブツバキ

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(↑上の写真)どれも温室のラン室にて

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 (↑上の写真)どれもダーウィン予言のラン=アングレカム・セスキペダレ

 アングレカム・セスキペダレ1862年マダガスカル島でこのランを発見したチャールス・ダーウィンは「ランの距と同じくらい長い口吻を持つ昆虫がいるはずだ」と予言しました。当時この予言は信じられませんでしたが、ダーウィンの死後21年めの1903年に長さ20㎝を越える口吻を持つキサントパンスズメガが発見されました。

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(↑上の写真)どれも温室のベコニア室の花

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(↑上の写真)どれも温室のベコニア室の花

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(↑上の写真)どれも温室のベコニア室の花

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(↑上の写真)温室のサボテン室にて

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(↑上の写真)山野草園にて、左=アリドオシ(一両)、中=ヤブコウジ十両)右=シロミノマンリョウ(万両)

 アリドオシ(蟻通し)はアカネ科。蟻さえ刺し通すという鋭いトゲが生えているので蟻通しといわれるとのこと。前年の実が翌年の花が咲くまで残っているので別名は「在り通し」。語呂合わせで、「千両、万両、在り通し」の縁起物として正月にセンリョウ、マンリョウと共に活けると福を呼ぶそうです。神代植物公園にはマンリョウはたくさんあるのですが、千両が見当たりません。マンリョウの実には、空気中の窒素を固定できる葉粒菌という共生細菌が移り棲んでいるそうで、そのために発芽した時、すぐに栄養がとれて成長できるということです。マンリョウが林の中で、はびこっているのはこのためでしょうか。

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(↑上の写真)左=オオハナワラビ、中=アカハナワラビ、右=コシノカンアオイ

 オオハナワラビ(大花蕨)=シダ植物:ハナヤスリ科。冬緑性なのでこの時季しか観察できません。アカハナワラビ(赤花蕨)=オオハナワラビと同じですが、冬に栄養葉が黒紅色に変わるのが特色。

 

上野東照宮冬ぼたん・・・令和2年1月14日

 上野東照宮のぼたん苑では2月24日まで冬ぼたん観賞期間として開苑しています。冬ぼたんは、春から夏を寒冷地で過ごさせ、花の開花を遅らせ、冬に咲くように仕立てたものです。寒ぼたんは春と初冬に咲く二期咲きのぼたんで、冬に咲いたものを寒ぼたんというそうです。気候の影響を受けやすく、冬に咲かせるのは難しいとのこと。ここは冬ぼたんというわけです。

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(↑上の写真)左=苑内風景、中=花王、右=八千代椿

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(↑上の写真)左=島大臣、中=村松桜、右=紫紅殿

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(↑上の写真)左=黄冠、中=聖代、右=御国の曙

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(↑上の写真)左=芳紀、中=ハイヌーン、右=島錦

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(↑上の写真)左=島の藤、中=緋王、右=鎌田藤

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(↑上の写真)左=太陽、中=不夜城、右=日暮

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(↑上の写真)苑内の様子


 

京王百草園・・・令和2年1月10日

 百草園は梅の名所ですが、ロウバイも20株ほどあります。今日は、3分咲きといった感じです。売店も今は珈琲しか扱っていません。訪れる人はほとんどなく、友達同士で静かに語らうには、とてもいいタイミングです。今日のロウバイの様子をお届けします。

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(↑上の写真)どれもソシンロウバイ

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(↑上の写真)左と中=マンゲツロウバイ、右=ロウバイ

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(↑上の写真)左=ニホンスイセン、中=(シダ植物)オオハナワラビ、右=フクジュソウの花芽

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(↑上の写真)左=松連庵、中=心字池の雪吊り、右=見晴らし台からスカイツリーの眺め

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(↑上の写真)左=ノキシノブ、中=ミツマタ、右=センリョウ

 

府中市郷土の森・・・令和2年1月5日

 今日は、令和2年自然観察始めです。郷土の森のロウバイの咲き具合を期待しながら訪れました。5分咲きで例年よりちょっと早目の開花のように感じました。ロウバイは交配しやすく植木屋さんによっていろいろ名づけられています。そのため、どこの公園も名札が取り払われるようになり、ここの公園でも同様です。名札があった時代の名前でまとめてみました。早春の黄花三友としてロウバイ、マンサク、サンシュユがあげられています。これからが楽しみです。

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(上の写真)どれもロウバイ

 いわゆるロウバイ(蠟梅)と言われるものは、この花で、花弁の先端が尖っていて花の中心部が赤くなっています。花弁の色合いに派手やかさがありません。それが楚々としていて、いいという人もいます。どこのロウバイ園でもロウバイの株数を減らしています。

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(上の写真)どれもマンゲツロウバイ

 マンゲツロウバイ(満月蠟梅)はソシンロウバイロウバイを賭け合わせたものといわれます。花弁の先端は丸く、それでいて花の中心部は赤みを帯びています。この赤みが満月のようだということらしいです。

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(上の写真)どれもソシンロウバイ

 ソシンロウバイ(素心蠟梅)は人気で、どこのロウバイ園でも株数を増やしています。見た目が鮮やかで見栄えがいいからでしょう。花弁の先端は丸く、花の中心部も黄色で、素のままだから素心蠟梅でしょうか。

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(上の写真)どれもロウバイ園の様子

 5分咲きと言った感じです。これからが見ごろです。

 

都立小宮公園・・・令和元年12月25日

 年の瀬も迫りました。新春にはロウバイが開花し、一番に春を告げてくれます。今日は、ひょっとしてロウバイが咲いているかなと思って、小宮公園のロウバイを見に行ってきました。カメラを提げて、花を探していると、丁度、地元の奥さんが「咲いていますよ」と教えてくれました。

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(上の写真)左=ソシンロウバイの花、中=蕾、右=まだ葉をつけているソシンロウバイの木

 ロウバイ(蠟梅)はロウバイ科。湯浅浩史著「花おりおり」には、ロウバイは旧暦の12月(臘月)に咲くので臘梅という、とありますが、牧野植物図鑑では、ロウバイは漢名の蝋梅(臘梅は不可)の音読み、とあり、臘梅はダメだとあります。梅の花弁がロウのように艶やかになった感じなので蠟梅という人もいますが、どう見てもバラ科の梅とは科も違い花も似ていませんね。ソシンロウバイ(素心蠟梅)は、花弁と萼とがともに黄色く透明なものを指しているようです。

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(上の写真)左=アブラナ、中=カントウタンポポ、右=冬枯れの公園

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(上の写真)左=ゴンズイ、中=マユミ(赤い種子は落下済み)、右=ヤイトバナの実

 ヤイトバナ(灸花)はアカネ科。普通、ヘクソカズラ(屁屎葛)と言われます。湯浅浩史著「花おりおり」によると、万葉集にも屎葛(クソカズラ)として詠われているそうです。この草の蔓が上に伸びていく様子が、宮中に仕える者にとって位が上がっていく上昇思考に合致したということです。ところで、お寺さんでは位牌の戒名も差別的なものはやめるようにしていますので、植物学者も思わしくない植物名、例えばヘクソカズラのような名前は変えてもいいのではないかと思います。サオトメバナという提案もあるようですが、香りは抜けきらないので若い女性にはかわいそうです。それで、花の形がお灸の形に似ているのでヤイトバナ(灸花)はいいのではないかと私は思っています。

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(上の写真)左=伸びやかなユーカリ、中=フユノハナワラビ、右=その栄養葉の様子

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(上の写真)左=カニクサ、中=リョウメンシダ、右=冬枯れの雑木林